プールの施工方法には、FRP、コンクリート、ステンレスなどがあります。それぞれの施工方法の特徴とメリット・デメリットについてまとめています。また、最近、注目を集めている、サイズや形状の自由度が高い施工方法についても紹介します。
プールの施工方法
プールの施工方法は、使用する素材によっていくつかの種類があります。その代表的なものとして、以下の方法が挙げられます。
- FRP
- コンクリート
- ステンレス
- 自立型躯体パネル+強化コンクリート
かつてはコンクリート製のプールが主流でしたが、現在は、ステンレスやFRPなど、軽くて耐久性の高い素材を使用することが多くなっています。
また最近では、限られたスペースでも気軽にプールが設置できるコンパクトなものや、サイズや形状が自由にカスタマイズできるタイプも注目を集めています。
FRP
FRPプールの施工の特長
FRPは「Fiberglass Reinforced Plactic」の頭文字を取ったもので、繊維強化プラスチックのこと。ガラス繊維やカーボン繊維などの強化繊維にポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂など組み合わせた素材で、バスタブなどの生活用品をはじめ、船舶、航空機、建築・土木、スポーツ機器など、幅広い分野で使用されています。
FRPは、鉄鋼の約25%、アルミニウムの約60%という比重で、他の金属素材に比べて軽く、強度が高いのが特長です。
FRPを用いたプールは、床部のフロアパネルとデッキサイド一体パネルの組み合わせというシンプルな構造で、組み合わせによってサイズや水深、勾配など、さまざまなニーズに対応することが可能です。
FRPプールのメリット
- 他の金属素材よりも軽いので、重量の制限がある屋上にも対応可能。
- 非金属で構成されているため、錆びる心配がない。
- 自由な形状に加工しやすい。
- 水密性・保温性・耐震性に優れている。
- 解体・再組立てをして再利用することが可能。
FRPプールのデメリット
- プラスチックのため、熱や湿度によって変形し、ひび割れてしまう可能性がある。
- 耐震性が低い
- 再利用に乏しい
- 塗装塗替えの定期メンテナンスがかかる
コンクリート
コンクリートプールの施工の特長
学校などのプールをはじめ、かつて、プールといえばコンクリート製のものが主流でした。頑丈で部分的な修復も可能ですが、コンクリート製のプールは、すべて現場で施工されるため、天候などの影響を受けやすく、施工時間がかかり、コストが高いといわれています。
コンクリートプールのメリット
- 対応している施工会社が多い。
- 頑丈で耐久性が高い。
- 造形性が高い。
- 剥離部分など部分的な補修が可能。
コンクリートプールのデメリット
- 経年によりコンクリートが劣化してひび割れを起こし、水漏れが生じることがある。
- 表面塗装を施さないと、水垢や藻などが付着しやすい。
- 現場施工のため天候等の影響を受けやすい。また、コンクリートが固まるまでの時間もかかるため、施工期間が長い。
ステンレス
ステンレスプールの施工の特長
耐震性や防水性が高く、強度と延性に優れ、外力によってクラックが発生するということがありません。経年劣化による強度低下や表面の荒れもなく、再塗装によって長期にわたって利用できます。
適宜、切断や曲げ、溶接などを行うことができるので、自由な形状設計が可能です。また、ステンレスはリサイクルが可能なので、環境にやさしい素材だといわれています。
ステンレスプールのメリット
- 腐食が起こりにくく、重量が軽い。
- コンクリート製よりもコストが安い。
- 部分的な補修が可能。
- 表面が滑らかで水垢や藻がつきにくい。
- 加工性が高い。
ステンレスプールのデメリット
- 現場で溶接を行うため、技術者の力量によって仕上がりに差が出る。
- 再塗装の頻度が多い。(3年に1回程度)
自立型躯体パネル
+強化コンクリート
自立型躯体パネル+強化コンクリート
プールの施工の特長
低コスト、省スペースで設置できるとして、最近、注目を集めている自立型躯体パネル+強化コンクリートのプール。
自立型躯体パネルと強化コンクリートをで厚さ25cmのモノブロック躯体を形成しているので、コンクリートの使用量は従来の半分。パネルはリサイクルのポリプロピレン製です。
施工性が高く、直線から曲線まで、形状も自由にデザインでき、インナーステップなどを取り入れたオリジナルのプールの作製にも対応可能です。
自立型躯体パネル+強化コンクリート
プールのメリット
- 躯体空気層によって断熱性が高くなる。
- コンクリートの使用量は従来の半分になるので、コストと躯体重量が軽減される。
- 直線や曲線など、デザインの自由度が高く、さまざまなカスタマイズも可能。
- 耐腐食性・錆防止効果も高く、長寿命化につながる。
- 先端技術を用いた組み立て式構造なので、施工も簡単でスピーディ。7m×3mのプールであれば、早くて10営業日で施工することも可能。
- 掘削用地も資材置き場も、最小限に抑えることができる。
自立型躯体パネル+強化コンクリート
プールのデメリット
- 対応している施工会社が少ない。
- デザインや仕様が豊富なので、こだわりすぎるとコストがかかる。
プールカンパニーでは、日本におけるプール文化の普及を目指し、フランス製「マジラインプール」を販売。ただプールを販売するだけでなく、プールのある暮らし、水のある風景をデザイン・提案することを心掛け、自宅の家庭用プールからヴィラなどのリゾート施設プールまで手掛けています。プールカンパニーの運営会社は、数々のリゾート開発と設計の実績を持つ株式会社プロスパーデザイン。単独のプールの設計・施工をはじめ、一級建築士事務所としてのノウハウを駆使したサービスを提供しています。
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