プライベートプールを作るにあたって、コストと同じくらい気になるのが、プールのメンテナンスではないでしょうか。メンテナンスがたいへんそうだから、プールを作るのを躊躇しているという人もいるかもしれません。しかし、自動で次亜塩素酸を生成するシステムや、プールお掃除ロボットなど便利なアイテムがあります。
ここでは、プールのメンテナンスの時期や方法についてまとめています。
プールのメンテナンス方法は?
水漏れの被害を防ぐためにも
定期的なメンテナンスが重要
プールを衛生的かつ安全に保つためには、日々の点検がとても大切。ほんのわずかなものであっても、プールの劣化は、やがて水漏れを引き起こしてしまうかもしれません。水漏れを起こすと、自分たちの敷地はもちろん、近隣にも影響を及ぼしてしまう可能性もあり、その修理費用は莫大なものになることも。
定期的に点検をすることで、劣化を早期に発見でき、大きな被害を防ぐことにつながります。
メンテナンスが必要な箇所
メンテナンスは、おもに以下の場所に必要になります。
- プール槽(プール躯体)
- プールサイド
- 設備機器
なかでも、とくに念入りに確認したいのがプール槽。水漏れの原因となるのは、プール槽の劣化であることがほとんどです。わずかな傷や劣化だからといって放置しておくと、後でたいへんなことになるかもしれません。
プールサイドは、プール槽の劣化が招く水漏れように、周囲に甚大な被害を引き起こすというケースはほとんどありませんが、破損箇所によってケガをしたり、ひび割れから雨水などが入り込んで、耐久性が低下してしまうこともあるので、点検を怠らないようにしましょう。
設備機器が故障すると、水が循環しなかったり、ろ過されなかったり、温水プールの場合は水温が上がらないなどの不具合が生じます。設備機器でも、水を循環させるポンプが故障したら、修理交換の費用が高額になります。また、大雨や台風が多い日本は日本の自然環境を考慮した、ポンプを水没しないように守ることが大切。水没しにくいシステムを選択しましょう。水質にも影響を及ぼすので、定期的に点検をして、故障のないようにしたいものです。
プールの劣化サインと
メンテナンス時期の見極め
プール槽やプールサイドの場合、定期的に点検を行い、劣化を早期に発見することで、すぐに直すことができますし、修理費用も抑えることができます。何よりも、近隣に被害が及んだり、大きな事故になるのを防ぐことにもつながります。
プール槽とプールサイド、それぞれの劣化のサインとメンテナンスの時期の見極めポイントについてそれぞれ見ていきましょう。
プール槽
コンクリート製のプールの場合、コンクリートの上に防水塗装が施されているのですが、その塗装がはがれるとひび割れが起こり、水漏れにつながります。プール槽の劣化のサインを順に見ていきましょう。
防水塗装が色あせる
塩素が入った水に長期間浸っている状態のため、プール槽の内部は少しずつ劣化していきます。だからといって、冬場など使用していない期間に水を入れないでいると、紫外線の影響をダイレクトに受けてしまい、これまた劣化につながります。適正な塩素濃度の水質管理も大切。
劣化は表面の色あせから起こることが多いので、塗装部分の表面が色あせてきたら、劣化が始まってきたと考えておきましょう。
表面に細かいひび割れが起こる。
部分的な膨らみがある
色があせ、そこからさらに劣化が進むと、塗装部分の表面に細かいひびが表れます。表面に部分的な膨らみがある場合は、そこに水が侵入しているということなので、早めの補修をおすすめします。
塗膜が剥離する
ひび割れ、膨らみをそのままにしておくと、塗膜がはがれ、表面の防水効果がなくなってしまいます。とくにコンクリート製のプールの場合、コンクリートがむき出しになり、内部の鉄筋の腐食につながります。また、はがれた塗膜やむき出しになったコンクリートでケガをする可能性も出てきます。
コンクリートが爆裂する
ひび割れた部分や、塗膜が剥がれ落ちた部分からコンクリート内部に水が浸入すると、やがて、コンクリート内部の鉄筋が錆びて膨張し、内側からコンクリートを破壊して押し出す「爆裂」という現象を引き起こします。
爆裂が起こると、コンクリートは大きくひび割れてしまうため、部分的な補修では対応できず、大掛かりな修理が必要になってしまいます。
プールサイド
プールサイドの劣化は、直ちに大きな問題を引き起こすわけではありませんが、いずれはプール躯体への影響を及ぼしたり、またケガなどの原因にもなるので軽視できません。
塗膜が薄くなっている
人がよく通る部分は、塗膜がはがれやすくなります。塗膜がはがれると防水機能が発揮できず、劣化も早くなってしまいます。
苔や藻が生えている
日陰や水はけの悪い部分は、苔や藻が生えやすくなります。塗膜の撥水性が低くなると、苔や藻が発生しやすくなるので、早めに塗装補修を行いましょう。滑りやすくなり、ケガをするリスクも高くなります。
部分的な膨らみがある
プール槽同様、部分的な膨らみがある場合、そこに水が侵入している可能性があります。その箇所は耐久性が低くなるので、そのままにしておくと、被害は広がってしまいます。
塗膜が剥離している
塗膜が剥離するとコンクリートがむき出しになってしまい、雨の影響を受けたり、ケガをしやすくなります。
定期的な清掃も必要
このほか、排水溝や側溝がゴミなどで詰まってしまうと、排水がうまくできずに水が氾濫し、塗膜の劣化を進めてしまう原因になりますし、衛生的にもよくありません。排水口や側溝は定期的に掃除をするようにしましょう。
専用業者に依頼すると、ランニングコストがかかり、維持管理が大変になってくるでしょう。そうならない為にも、自分でメンテナンスができるプールを選ぶことが重要です。ろ過機の清掃、消毒のための塩素の投入、プール内の清掃など、メンテナンスフリーのプールは存在しないので、いかに日々簡単にメンテナンスができるか、この視点を持ってプールの施工会社を探すことをおすすめします。

プール施工のプロフェッショナル
pool company 市川さん
プールカンパニーでは、日本におけるプール文化の普及を目指し、フランス製「マジラインプール」を販売。ただプールを販売するだけでなく、プールのある暮らし、水のある風景をデザイン・提案することを心掛け、自宅の家庭用プールからヴィラなどのリゾート施設プールまで手掛けています。プールカンパニーの運営会社は、数々のリゾート開発と設計の実績を持つ株式会社プロスパーデザイン。単独のプールの設計・施工をはじめ、一級建築士事務所としてのノウハウを駆使したサービスを提供しています。
「庭にプールを作りたい」「ホテルやヴィラにプールを建設したい」「プール付きの戸建てを建てたい」
けれど、プールをつくるにはどのくらい費用がかかるかわからない方が多いのではないでしょうか。そこで、当メディアでは、 世界各国で45,000台以上のプール設置実績を誇る「マジラインプール」の日本での販売元「プールカンパニー」に取材協力を依頼し、プール施工のプロにプールの施工費、維持管理について解説して頂きました。業者選びのポイントも紹介しているので、ぜひ参考にご覧ください。(※2023年2月22日調査時点)