
大型プールの施工は施設価値の向上を目指す別荘オーナーや宿泊施設経営者にとって、魅力的な選択肢です。一方で、費用やメンテナンス、安全面での課題もあります。この記事では、大型プールの施工のために知っておくべき情報を解説します。
大型プール施工のメリット
施設価値の向上
大型プールを施工することで、施設全体に高級感が加わり、訪問者に特別なリゾート体験を提供できます。宿泊者はプールサイドでくつろいだり、インフィニティプールで非日常感を楽しんだりと、施設の魅力を存分に堪能できるようになります。宿泊者の満足度が向上し、口コミやSNSでの評判が広がりやすくなるでしょう。災害時の活用
大型プールの水は災害時に生活用水や飲料水として利用することも可能です。特にフィルターシステムを備えたプールでは、浄水機能を活用して安全な水の確保が可能。このような付加価値があることで、施設の信頼性が高まり、顧客に安心感を提供します。長期的な収益効果
プールを備えることで施設の集客力が向上します。イベントやパーティー、ブライダルなど、多目的な利用が可能となり、追加収益を生む機会が増加。また、プールがあることでリピーターを増やし、新しい顧客層を獲得することが期待できます。魅力的なリゾート空間
プールは視覚的にも印象的な空間を作り出します。SNS映えするデザインのプールは、若い世代の注目を集めやすく、施設全体のブランディング効果を高められるでしょう。デザイン性を重視した照明やタイルなどを組み合わせることで、昼夜問わず魅力的な空間を演出できます。大型プール施工のデメリット
初期費用が高額
大型プールを施工する際には、規模や設計の複雑さによって、初期費用が数百万円から数千万円に上ることがあります。特に、高品質な素材を使用したり、インフィニティプールや特殊なデザインを採用したりする場合、そのコストはさらに増加します。多額の投資が必要なため、事前に十分な予算計画を立てることが重要です。
維持費用の負担
プールの運営には、定期的なメンテナンスや設備の管理が欠かせず、これらに伴う維持費用が継続的に発生します。電気代や水道代はもちろん、塩素やpH調整剤といった薬剤費も必要。さらに、防水層の劣化やろ過装置の故障に対応するための補修費用が加わると、ランニングコストはかなりの額になる可能性があります。
利用価値の変動
大型プールの利用価値は、季節や施設のターゲット顧客層に依存します。例えば、夏季には多くの利用者が見込まれる一方で、冬季には利用者数が大幅に減少する場合があります。このような状況を改善するために、温水設備を導入して通年利用を可能にするなどの対策が必要ですが、これにはさらに追加のコストが発生します。
既存のプールのリニューアルや再利用をしたい場合
リニューアルを検討するタイミング
既存のプールをリニューアルするべきタイミングは、いくつかの兆候で判断できます。例えば、プール本体の老朽化が進み、ひび割れや漏水が頻繁に発生する場合は、防水層や躯体の補修が必要。また、ろ過装置やポンプが劣化して機能低下を引き起こしている場合、新しい設備への交換が推奨されます。さらに、デザインが古く、施設全体の雰囲気にそぐわなくなった場合も、リニューアルのタイミングといえます。
リニューアルの主な方法
リニューアルには複数の方法があります。防水層を改修する場合、PVCライナーやFRP防水など耐久性の高い素材を活用することで、漏水のリスクを軽減できます。また、設備のアップグレードとして、省エネ型ポンプや温水設備を導入することで、エネルギー効率を向上させつつ、利用者の快適性を高めることが可能。さらに、デザインを刷新する場合は、新しいタイルや照明を採用して、インフィニティプールのようなモダンな雰囲気を演出することが可能です。
再利用の活用アイデア
既存プールの再利用も有効な選択肢です。例えば、観賞用池として改装することで、施設の景観を向上させることができます。また、浅瀬プールに変更することで、子ども向けの遊び場や安全性の高い水遊びスポットとして利用することも可能。スパエリアや温浴施設として再設計することで、新たな顧客層を取り込むことも期待できます。
コスト削減のポイント
宿泊施設からの問い合わせが多い大型プールに関して、新規で大型プールを作るケースは少なく、既存のプールをリニューアルしたり、一度つぶしたプールを再利用するケースがほとんどです。この際、現状のプールサイズをそのまま使用する場合、まず躯体の強度検査を行い、問題があれば修繕を実施します。ただし、近年では修繕費用が高騰しており、思わぬコスト負担が発生する点に注意が必要です。
このような背景から、マジラインプールでは、一回り小さいプールを新たに設置する方法を推奨しています。この選択肢は、設置費用を抑えるだけでなく、水量の削減や温水設備導入時の光熱費削減にもつながり、ランニングコストの低減が期待できます。施設運営におけるコストパフォーマンスを重視する方に合う方法と言えるでしょう。

プール施工のプロフェッショナル
pool company 市川さん
知っておくべきプールの管理ポイント
水質管理と設備メンテナンス
プールの清潔さを維持するためには、水質管理が欠かせません。特に、塩素濃度やpH値を適切な範囲に保つことが重要です。塩素濃度が低すぎると細菌や藻類が発生しやすくなり、高すぎると肌や目に刺激を与える可能性があります。理想的なpH値は7.2〜7.8であり、これを維持するために定期的な測定と調整が必要。さらに、ろ過装置やポンプの点検も定期的に実施することで、水の循環が滞らず清潔な状態を保つことができます。これにより、利用者に安全で快適なプール環境を提供できます。
メンテナンスコスト
プールの維持には年間を通じてさまざまなコストが発生します。例えば、電気代はろ過装置やポンプの稼働に必要で、月々5,000〜10,000円程度が一般的。また、水道代は自然蒸発した水の補充や清掃時の排水に使われ、年間20,000〜50,000円程度が見込まれます。これに加えて、塩素やpH調整剤などの薬剤費が毎月1,000〜3,000円程度かかります。さらに、防水層の補修や機械の故障時の修理費用も考慮する必要があります。こうしたランニングコストを見込んだ計画を立てることで、長期的に無理のない運営が可能になります。
安全管理
プール利用者の安全を確保するためには、適切な安全管理が求められます。例えば、プール周囲にフェンスを設置することで、子どもやペットが誤って落下するリスクを減らすことが可能。また、未使用時にはプールカバーを利用することで、水面の事故を防ぐだけでなく、汚れや落ち葉の侵入も防ぐことができます。さらに、救命ブイや救命はしごを常備し、緊急時にすぐ対応できるようにすることも重要。監視カメラの設置や、スタッフに応急処置の訓練を受けさせるなど、あらゆる事態に備えた安全対策を講じることで、利用者に安心感を提供できます。
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けれど、プールをつくるにはどのくらい費用がかかるかわからない方が多いのではないでしょうか。そこで、当メディアでは、 世界各国で50,000台以上のプール設置実績を誇る「マジラインプール」の日本での販売元「プールカンパニー」に取材協力を依頼し、プール施工のプロにプールの施工費、維持管理について解説して頂きました。業者選びのポイントも紹介しているので、ぜひ参考にご覧ください。(※2025年2月1日調査時点)